大勢の人の前で話すことは、苦手に感じている人がとても多いです。
できることならやりたくないと思うのは当然のことですし、そういった仕事をずっと避けてきたという人も多いのではないでしょうか?
しかし、職場での経験を積み、責任ある仕事を任されるようになってくれば、やりたくないといってばかりもいられません。憂鬱な気持ちで原稿を受け取り、何度か読み上げる練習をして、さて、そのままでうまく話せるでしょうか?
答えはNOです。
緊張して頭真っ白になったらどうしよう?
早口になって何言ってるかわからないと思われるかも?
何の準備もしていなければ、話す前に感じた不安はそのまま現実化します。
話している時の振る舞いはそのままあなたの印象、評価に直結します。緊張して不安が顔に現れた状態で話していると、いい内容、いい企画、実のある話も相手の耳に入ってきません。
そこで今回は、緊張せず堂々と話すためのコツについてお伝えします。聞く人に自分の話について興味を持ってもらえるようにするため、ぜひ参考にしてみてください。
人前で緊張せずに話すための3つのポイント
1. 丹田呼吸法で身体と心をリラックス
まずは「身体をリラックスさせ、心を整える」ところから始めます。
スピーチ当日まで、1日3回丹田呼吸法を行ってみてください。
身体の状態に、心のバランスは強く影響を受けます。身体が酸素が十分に取り込めていない状態だと、その息苦しさを、心は不安と錯覚します。日常的に息苦しさが続くことで、不安に過剰に振り回され、理知的な行動がとれなくなってしまいます。
逆に言えば、身体が感じる快適さは、そのまま心の安定につながります。身体にしっかり酸素を巡らせることで、緊張を緩めると同時に、不安な気持ちをいったん切り離して、心に冷静さを取り戻しやすくなるのです。
日常に丹田呼吸法を取り入れて、身体がリラックスする感覚、感情が鎮まる感覚を感じてみてください。
2. びっくりスローモーションで聞きやすく
次に、「丁寧で訊きやすいスピードで話す」ためのコツをお伝えします。
話すフレーズの合間合間に、びっくりスローモーションの呼吸を挟んでいきましょう。
びっくりスローモーション入れるメリットは次の2点です。
①「間」を入れて話すことができる
びっくりスローモーションを話の合間に入れることで話に適度な「間」が生まれます。
話すことに慣れていない人は間を入れることをあまり意識しません。むしろ、説明に時間をかけることを悪いことと考え、ついつい言葉数が多くなってしまう傾向があります。しかし、聞いている相手は、あれこれまくしたてられているように感じ、説明された内容を頭の中で処理しきれません。
話す合間に間を入れることは、話す側からするとまどろっこしく感じられるかもしれません。しかし、間があることによって、聞く相手が内容を整理するための時間を得ることができます。
呼吸を取り入れて、適度な間を作っていきましょう。
② 早口になることを防ぐ
早口になる原因の一つに「息を吸えていない」ことが挙げられます。
十分な量の息を吸えていないまま話そうとすると、当然のことながら息苦しくなります。少ない息で何とか全ての内容を話し切ろうとして、自然と早口になってしまうのです。
話の合間にしっかり呼吸を取り入れることで、息苦しさもなく、安定したスピードで話せるようになります。
3.「どう話すか」書き込んで原稿を可視化する
3つ目に行うのが「聞く人に伝わりやすい話し方をすること」です。
原稿に話す内容が分かりやすくまとめられていても、それををただ棒読みするだけでは、聞く人に何が重要なのかが伝わりません。相手の表情に「?」が浮かぶと、焦って話したかった内容を忘れてしまうことがあります。
「間を取る場所」
「強調するキーワード」
「ゆっくり話すところ」
この3つがあるだけでも、話し方に緩急が付き、聞く人を飽きさせない、分かりやすい話をすることができます。
「練習しても、緊張すると話し方をド忘れしちゃう……」という方は、原稿用紙にあらかじめ、どのフレーズを強調するか、ゆっくり話すか、間を開けるかを、マークをつけたり書き込んでおくといいでしょう。
どんな話し方をするか、どんな表現をするかに意識が向くと、スピーチをすることを楽しく感じられるようになります。どう話すかが可視化できていることで、「忘れたらどうしよう」という不安をなくすことにもつながります。
準備をすることで不安を取り除ける
今まで人前で話したことがない人にとって、スピーチや演説は未知の世界です。どんな風に話せばいいかわからないと、不安や失敗に対する重圧はどんどんたまっていきます。
しかし、対処法を知り、自分にできることを少しずつ実践していくことで、不安や緊張に過剰に振り回されるのを防ぐことができます。
今回お伝えした3つのポイントは、簡単に実践できるものばかりですので、ぜひ取り入れてスピーチや演説に備えてみてください。